CALFA NSS SYSTEM (カルファ・エヌエスエス・システム) | |
次亜塩素酸ナトリウム ( NaOCl ) |
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一般的に「塩素」と呼ばれる殺菌剤は、次亜塩素酸ナトリウムです。この「塩素」は化学変化により2種類に分類できます。それは「結合塩素」と「遊離塩素」です。殺菌効力が強いのはこの遊離塩素の方で塩素が結合した場合、ほとんど殺菌効力は失います。 結合するのは、なんと人間の汗であるアンモニア、尿素などの窒素化合物 (N) です。また、仮にこの遊離塩素があったとしても、pHがアルカリ域の場合、殺菌効力は著しく低下してしまいます。そして、単純な塩素のみでの殺菌は、次第に「耐性菌」を作ります。 耐性菌とは塩素に強い耐性を持ち始める事です。 過去の出来事で最も知名度が高いのは「ペニシリン」への耐性でしょう。 1927年夏季、イギリスのフレミング博士により発見された「抗菌性物質:ペニシリン」は、抗菌薬として、これまで不治の病として人々を苦しめた感染症に対し、著しい治療効果が認められ、ペニシリンは世界中に広がって行きました。 |
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しかし、わずか数年後「ペニシリンが全く効かない黄色ブドウ球菌」が見つかり、すぐさま、世界中に蔓延していきました。この黄色ブドウ球菌は、ペニシリンを分解する「ペニシリナーゼ」と言うタンパク質を分泌出来る能力を獲得したのです。 こうして「病原菌に効果する新薬の開発」、さらに「その新薬に耐性を持つ病原菌の出現」と「医薬開発機関」と「耐性病原菌」は常に 「追いかけっこ」 をする運命なのです。 人間の薬でも同じものを飲み続けると、次第に「効かなくなる」という現象があります。これと同じで、塩素のみでの殺菌では、菌が耐性を持ち始めるので定期的に殺菌剤を変えるか、濃度を次第に濃くするしかありません。濃度を濃くすると、臭い(カルキ臭) ばかりが強くなり、お客様に不快感を与えるでしょう。 |
温泉環境における「塩素」(次亜塩素酸)の結合 |
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HOCl + NH3 = NH2Cl + H2O 次亜塩素酸 + アンモニア = モノクロラミン + 水 NH2Cl + NH3 = NHCl2 + H2O モノクロラミン + アンモニア = ジクロラミン + 水 NHCl2 + NH3 = NCl3 + H2O ジクロラミン + アンモニア = トリクロラミン + 水 |
下記の表は、厚生労働省が公開している「pH」と「遊離塩素の殺菌効力」を示すデータです。 |
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ご覧の様に、塩素剤で強い殺菌効力を持つ「遊離塩素」ですが、pH7.5の水質環境の中では、その効力は半減するのです。 (50%まで低下) pH8.0なら26%(約1/4)まで低下します。 | ||
つまり、殺菌剤として、次亜塩素酸ナトリウムを添加すると、「アンモニア」などの窒素化合物と結合し、クロラミンになり、その殺菌効力が低減します。 次に、辛くも生き残った(クロラミンにならなかった)「遊離塩素」は潜在的に温泉に含まれる「硫黄」や「鉄」「マンガン」とも結合して効力が低下。そして温泉の持つ弱アルカリpHによって、さらに低下。そこへ直射日光があたり水温が上昇すると、その殺菌効力は、ほとんど発揮しなくなります。 それを補う為には、ジャブジャブと大量に塩素剤を添加しなければ、 「殺菌効力」を確立出来なくなります。ここまで入れると、もはや「温泉」と言うより、※1「塩素風呂」になってしまい、肌が弱い女性、子供、塩素ガスの臭いが気になるお客様は、もう来店いただけないかも知れません。 |
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さらに、悲劇はこれだけでは終わりません。最後に訪れるのは、一辺倒な1種類の「塩素剤」のみでの殺菌方法では「耐性菌」が生まれて来る事です。(塩素に強いバクテリアが生成されてくる) バイオフィルムが生成されてしまった場合、殺菌剤は内部にまで届きません。仮に、届いたとしても、フィルム内部に生息するレジオネラ菌は「すでに塩素への "耐性" を獲得している」事がたくさんの研究結果から知られています。 | ||
※1.アンモニア等の「窒素化合物」と「次亜塩素酸」とのバランスが崩れ「塩素リッチ」になりすぎるとモノクロラミンではなく「ジクロラミン」・「トリクロラミン」となり人間への「皮膚刺激性」「塩素臭」が上昇します。 | |
塩素化イソシアヌル酸 ( C3HCl2N3O3 / C3Cl3N3O3 ) |
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尿素を原料として製造される「シアヌル酸」と「塩素」を反応させた固形 (粒状・顆粒状など) 殺菌剤。 固形ですので、一般的に「塩素」と呼ばれる液体の「次亜塩素酸ナトリウム水溶液」に対して「高濃度製品」に出来ます。「トリクロロイソシアヌル酸」で、最も高濃度な製品は「90%程度」まで濃縮されています。その為、顆粒の製品は、大量の水に対して瞬間的に「塩素濃度」を上げる事が可能です。 ここで「塩素化イソシアヌル酸」の最大の化学的メリットをお話しいたします。 通常の塩素(液体)は、強い直射日光(UV) に当たり続けると、塩素の化学構造が壊れ「酸素」と「塩化ナトリウム水」 (塩水)に変化してしまいます。ここに、「塩素」の隣に「イソシアヌル酸」があると、先にイソシアヌル酸が犠牲になって、この反応のスピードを遅らせてくれるのです。 仮に、一般的な水質のお湯が停滞しているとします。これに 「約1時間」、「夏の直射日光」が当たり続ければ、ほとんどの塩素構造は壊れてしまいます。塩素化イソシアヌル酸の場合、これを2倍〜4倍程度遅らせる事が可能です。 しかし、もう、皆さんお気づきですね。 この殺菌剤は、「屋外プール向け」なのです。 一般の日帰り温浴、スーパー銭湯などの「ターン数」は20分〜30分に1循環。 つまり、1時間もあれば2回〜3回循環して「その都度、新しい殺菌成分がリリースされて戻って来る」ので、残念ながらほとんどの温浴施設でメリットとならず、塩素(液体)とほとんど変わりません。 |
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それ以外は、「塩素化イソシアヌル酸」から溶出された「イソシアヌル酸自体」が「遊離塩素」を減少させたり「効果」に対し「コスト」が割高だったり、ムダに水質の「窒素濃度」を上昇させたりと「デメリット」ばかりです。 もちろん「強い塩素臭」もありますし、「耐性菌」も出来てきます。 ピンポイントで投入した場合、局所的、瞬間的に「pH」が下がり 「塩素濃度」が急上昇する為、周辺設備の金属腐食も起きやすくなりますし、密閉空間中には、「強い塩素ガス」も残します。 |
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米国では、たくさんの個人宅に「屋外プール」を保有していますので「プール用殺菌剤」として一般的ですが、その技術を日本に持って来て、温浴施設に用いたところで、「使用環境」も「用途」も違うので、残念ながらメリットは見つかりません。 |
二 酸 化 塩 素 ( ClO2 / ClO2- / ClO3- ) |
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ここでは、二酸化塩素の学術的な試験データを引用致します。 | |||
二酸化塩素は水中で次のように分解する。 | |||
2ClO2 + 2OH- → ClO2- + ClO3- + H2O (亜塩素酸イオン) + (塩素酸イオン) + (水) | |||
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二酸化塩素殺菌剤の場合、開発から登場までその歴史は比較的浅く、長期的に見て「人体にどの様な影響」を与えるのか? 完全に解明されていないのが現状です。 その場で2液を化学反応をさせて精製しますので「高額な専用注入機器」や「機器のメンテナンス・及び故障」など「管理の手間」がかかる事など「運用面・ランニングコスト」から見ても、あまり得策とは言えないでしょう。 安定化二酸化塩素と言われる「タブレット型」のタイプも市販で販売されておりますが、循環・浴槽内に反応生成物の亜塩素酸イオン(ClO2-) が徐々に蓄積して行きますので、施設によって頻繁に高濃度で添加されている場合「人体への毒性」や「強い塩素臭が残留」したりとこちらも運用面では、厳重な注意が必要となります。 また、二酸化塩素は水中の アンモニア(窒素化合物) を補足(結合)しないので、殺菌ガスがある一定の濃度で水中に残留している間は殺菌効力を示しますが、濃度が薄くなった水質中にバクテリアが混入すると、バクテリアが増殖するには「最適」でエサだらけの「栄養豊富」な水質環境であり、増殖・バイオフィルム化するスピードは著しく促進されるでしょう。 つまり、水中のアンモニア等の窒素分(N)は、ある程度「塩素」(次亜塩素酸ナトリウムなど)と結合させた方が、バクテリアが繁殖しづらい水質環境になります。 「ぬめり」の原因は、水中の「アンモニア(NH3)」等の「窒素化合物」及び「有機物」(炭素を含む化合物)の「濃度上昇」から引き起こされます。ご存知の様に人間の汗は「アンモニア」、人間が分泌する皮脂(脂肪酸、油脂)は「生物由来の有機化合物」、 ボディーローション、スキンケア化粧品等に良く使われるグリセリン、エチレングリコールは「合成有機化合物」です。 お風呂はその役割上、これらの成分で、お湯が汚れるのは当たり前であって、「大前提」なのです。 「異物」や「にごり」であれば、循環システム内のろ過器で「ろ過」されますが、水中に溶け込んだ成分は「ろ過」出来ません。つまりお風呂は、「目には映らない汚れ」でいっぱいで、 何らかの方法で「汚れ成分」を分解・処理しなければ、お湯はますます汚れて行ってしまいます。 (濃度上昇) 二酸化塩素系殺菌剤を「高濃度添加」し、それを 「スーパークロリネーション」とおっしゃってる方がいますが、これは、本来の 「スーパークロリネーション」の意味・役割・効果を全く果たしていません。 なぜなら 「窒素を補足(結合)しない」からです。 |
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高濃度の「二酸化塩素」(水溶液)の場合、「アンモニア」と直接ぶつけると、最悪のケース 「爆発」 します。 二酸化塩素系殺菌剤は、「殺菌剤」としては、非常に良い利点もございます。例えば、水溶液にして医療・調理器具類、テーブル、流し台等の設備の除菌。紙、パルプ、一部、認められた範囲での食品(小麦粉) の「漂白剤」として強い効力を示します。 |
一部の販売業者が、二酸化塩素タブレットを「数週間に1回」、通常の数十倍以上の濃度で 「超高濃度添加して徹底消毒を!」「二酸化塩素タブレットでスーパークロリネーションを!」と指導して販売されているケースがありますが、 これは絶対にお止め下さい。 仮に、事故が起きても「言った、言わない」の水かけ論になり、結局、施設様側が「泣き寝入り」になるかもしれません。 基本的に「塩素ガス」の毒作用も「二酸化塩素ガス」の毒作用もほとんど同じと考えて下さい。 どちらも、人体における(眼、鼻、上気道などの粘膜への)強い刺激は、同等レベルで、人の粘膜などの水分に溶けて、「塩酸」と「次亜塩素酸」を生じます。そして、二酸化塩素ガスは容易に細胞膜を浸透し、細胞構造を破壊し、その作用は「塩酸」よりもはるかに強いと報告されています。 |
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人間の1回の短時間暴露(呼吸)では、永久的な後遺症を残さない事が多いが、長期暴露、繰り返し暴露、では呼吸器症状鼻粘膜の炎症、結核に罹患しやすい、呼吸困難、呼吸機能の低下、閉塞性気道障害などの後遺症が残る。と報告されています。 また、塩素ガスの比重は空気に比べ2.48と重く、「地を這うガス」と言われています。要するに、(室内浴場・プール)等の密閉された空間では、 「低い箇所から徐々に溜まって」 行きますので、上部の窓を開けたくらいでは、全く換気が出来ません。 ご存知、一般的な家庭用の「塩素系カビ取り漂白剤」に ”まぜるな危険 (塩素系)” と表示された製品が売られていますが、これは、「酸系のクリーナー」等の「酸性物質」がまざると、急激に分解して危険な「高濃度塩素ガス」が発生するからです。 |
製品の 「技術」「価格」「施工の方法」等に関しまして、お気軽にお電話ください。 一般の方には、弊社の 「洗浄剤」・「殺菌剤」の 両方を ご使用いただき、行政の指導に沿った「正しい知識」と「高い衛生意識」をお持ちの 『安全で模範的な施設』 をご紹介出来ます。 |
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