CALFA NSS SYSTEM (カルファ・エヌエスエス・システム)
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めに、皆様にお伝えするのは@「洗浄」A「殺菌」(消毒) とでは違います
 
 

@【洗 浄】
配管、ろ過器内部、浴槽、その他水路系に付着したバイオフィルム及び不要物の「分解・除去」を行う
A【殺 菌】
「水中の病原菌」等に対して、水の中で「消毒」を行う 

一度、バイオフィルム化(生物膜化)してしまうと「殺菌剤」はバイオフィルム内部まで到達できず 殺菌効果を得られません。 専門業者に依頼した時に「何故か、コストが安い」また「これ1個で!」と言う商品・サービスは、ほとんどのケースA「殺菌剤」を高濃度で添加するだけで、残念ながら @「洗 浄とは違います。

どちらも重要ですが、どちらかと言うと @「洗 浄の方が重要です。A殺菌剤は、水中に漂う病原菌の「消毒」を行うだけです。 水中の病原菌を殺菌すれば良い訳ですが「煙」は消せても肝心な「火元」がまだ消せてません

A殺菌剤では有機化合物 (油脂・皮脂) を分解・除去出来ません。つまり「火元」が消せていないのです。それでは「どこを最も洗浄しなければいけない箇所なのか?」それは砂ろ材(砂そのもの)です。

詳しいコツ・ポイントは後述するとして、それでは A「殺菌剤」にはどの様な物があるのでしょうか?


 
次亜塩素酸ナトリウム
( NaOCl )
  般的に「塩素」と呼ばれる殺菌剤は、次亜塩素酸ナトリウムです。この「塩素」は化学変化により2種類に分類できます。それは「結合塩素」と「遊離塩素」です。殺菌効力が強いのはこの遊離塩素の方で塩素が結合した場合、ほとんど殺菌効力は失います。

結合するのは、なんと人間の汗であるアンモニア、尿素などの窒素化合物 (N) です。また、仮にこの遊離塩素があったとしても、pHがアルカリ域の場合、殺菌効力は著しく低下してしまいます。そして、単純な塩素のみでの殺菌は、次第に「耐性菌」を作ります。

性菌とは塩素に強い耐性を持ち始める事です。    過去の出来事で最も知名度が高いのは「ペニシリン」への耐性でしょう。 1927年夏季、イギリスのフレミング博士により発見された「抗菌性物質:ペニシリン」は、抗菌薬として、これまで不治の病として人々を苦しめた感染症に対し、著しい治療効果が認められ、ペニシリンは世界中に広がって行きました。
    かし、わずか数年後「ペニシリンが全く効かない黄色ブドウ球菌」が見つかり、すぐさま、世界中に蔓延していきました。この黄色ブドウ球菌は、ペニシリンを分解する「ペニシリナーゼ」と言うタンパク質を分泌出来る能力を獲得したのです。

こうして「病原菌に効果する新薬の開発」、さらに「その新薬に耐性を持つ病原菌の出現」と「医薬開発機関」と「耐性病原菌」は常に 「追いかけっこ」 をする運命なのです。

人間の薬でも同じものを飲み続けると、次第に「効かなくなる」という現象があります。これと同じで、塩素のみでの殺菌では、菌が耐性を持ち始めるので定期的に殺菌剤を変えるか、濃度を次第に濃くするしかありません。濃度を濃くすると、臭い(カルキ臭) ばかりが強くなり、お客様に不快感を与えるでしょう。


 
 
温泉環境における「塩素」(次亜塩素酸)の結合
  HOCl + NH3 = NH2Cl + H2O
    次亜塩素酸 + アンモニア = モノクロラミン + 水

NH2Cl + NH3 = NHCl2 + H2O
   モノクロラミン + アンモニア = ジクロラミン + 水

  NHCl2 + NH3 = NCl3 + H2O
     ジクロラミン + アンモニア = トリクロラミン + 水




 
   
 
 
下記の表は、厚生労働省が公開している「pH」と「遊離塩素の殺菌効力」を示すデータです。
 


 
  覧の様に、塩素剤で強い殺菌効力を持つ「遊離塩素」ですが、pH7.5の水質環境の中では、その効力は半減するのです。 (50%まで低下)  pH8.0なら26%(約1/4)まで低下します。
     
  つまり、殺菌剤として、次亜塩素酸ナトリウムを添加すると、「アンモニア」などの窒素化合物と結合し、クロラミンになり、その殺菌効力が低減します。

次に、辛くも生き残った(クロラミンにならなかった)「遊離塩素」は潜在的に温泉に含まれる「硫黄」「鉄」「マンガン」とも結合して効力が低下。そして温泉の持つ弱アルカリpHによって、さらに低下。そこへ直射日光があたり水温が上昇すると、その殺菌効力は、ほとんど発揮しなくなります。

それを補う為には、ジャブジャブと大量に塩素剤を添加しなければ、 「殺菌効力」を確立出来なくなります。ここまで入れると、もはや「温泉」と言うより、※1「塩素風呂になってしまい、肌が弱い女性、子供、塩素ガスの臭いが気になるお客様は、もう来店いただけないかも知れません。
     
  さらに、悲劇はこれだけでは終わりません。最後に訪れるのは、一辺倒な1種類の「塩素剤」のみでの殺菌方法では「耐性菌」が生まれて来る事です。(塩素に強いバクテリアが生成されてくる) バイオフィルムが生成されてしまった場合、殺菌剤は内部にまで届きません。仮に、届いたとしても、フィルム内部に生息するレジオネラ菌は「すでに塩素への "耐性" を獲得している」事がたくさんの研究結果から知られています。
   

  ※1.アンモニア等の「窒素化合物」と「次亜塩素酸」とのバランスが崩れ「塩素リッチ」になりすぎるとモノクロラミンではなく「ジクロラミン」・「トリクロラミン」となり人間への「皮膚刺激性」「塩素臭」が上昇します。
   
   



 
塩素化イソシアヌル酸
( C3HCl2N3O3 /  C3Cl3N3O3 )
  尿素を原料として製造される「シアヌル酸」と「塩素」を反応させた固形 (粒状・顆粒状など) 殺菌剤。

固形ですので、一般的に「塩素」と呼ばれる液体の「次亜塩素酸ナトリウム水溶液」に対して「高濃度製品」に出来ます。「トリクロロイソシアヌル酸」で、最も高濃度な製品は「90%程度」まで濃縮されています。その為、顆粒の製品は、大量の水に対して瞬間的に「塩素濃度」を上げる事が可能です。

ここで「塩素化イソシアヌル酸」の最大の化学的メリットをお話しいたします。 

常の塩素(液体)は、強い直射日光(UV) に当たり続けると、塩素の化学構造が壊れ「酸素」と「塩化ナトリウム水」 (塩水)に変化してしまいます。ここに、「塩素」の隣に「イソシアヌル酸」があると、先にイソシアヌル酸が犠牲になって、この反応のスピードを遅らせてくれるのです。

仮に、一般的な水質のお湯が停滞しているとします。これに 「約1時間」「夏の直射日光」が当たり続ければ、ほとんどの塩素構造は壊れてしまいます。塩素化イソシアヌル酸の場合、これを2倍〜4倍程度遅らせる事が可能です。

かし、もう、皆さんお気づきですね。  この殺菌剤は、「屋外プール向け」なのです。
一般の日帰り温浴、スーパー銭湯などの「ターン数」は20分〜30分に1循環

つまり、1時間もあれば2回〜3回循環して「その都度、新しい殺菌成分がリリースされて戻って来る」ので、残念ながらほとんどの温浴施設でメリットとならず塩素(液体)とほとんど変わりません。
     
  それ以外は、「塩素化イソシアヌル酸」から溶出された「イソシアヌル酸自体」が「遊離塩素」を減少させたり「効果」に対し「コスト」が割高だったり、ムダに水質の「窒素濃度」を上昇させたりとデメリットばかりです。

もちろん「強い塩素臭」もありますし、「耐性菌」も出来てきます。 ピンポイントで投入した場合、局所的、瞬間的に「pH」が下がり 「塩素濃度」が急上昇する為、周辺設備の金属腐食も起きやすくなりますし、密閉空間中には、「強い塩素ガス」も残します。
  米国では、たくさんの個人宅に「屋外プール」を保有していますので「プール用殺菌剤」として一般的ですが、その技術を日本に持って来て、温浴施設に用いたところで、「使用環境」も「用途」も違うので、残念ながらメリットは見つかりません



 
二 酸 化 塩 素
( ClO2  /  ClO2- /  ClO3- )
  ここでは、二酸化塩素の学術的な試験データを引用致します。
   
   
  酸化塩素は水中で次のように分解する。
  2ClO2 + 2OH- → ClO2- + ClO3- + H2O   (亜塩素酸イオン) + (塩素酸イオン) + (水)
   
 
   
 
記、化学式で生じた亜塩素酸塩 (ClO2-) は低濃度でも赤血球を破壊し、溶血性貧血症を引き起こし、甲状腺機能障害を起こすとされる。また、排泄量が投与量の40%程度で体内残留量が多く、このため発がん性や変異原性が疑われている

一般毒性としてメタヘモグロビン血症、生殖発生毒性として精子数・精子形態異常が認められている。NOAEL(無毒性量)は、1mg/Kg - 体重/dとされ、これから不確実係数を100として、TDI(1日許容摂取量)=10μg/Kg − 体重/d となる。(技報堂出版:藤田賢二著「水処理薬品ハンドブック」)より



  酸化塩素殺菌剤の場合、開発から登場までその歴史は比較的浅く、長期的に見て「人体にどの様な影響」を与えるのか? 完全に解明されていないのが現状です。 その場で2液を化学反応をさせて精製しますので「高額な専用注入機器」「機器のメンテナンス・及び故障」など「管理の手間」がかかる事など「運用面・ランニングコスト」から見ても、あまり得策とは言えないでしょう。

定化二酸化塩素と言われる「タブレット型」のタイプも市販で販売されておりますが、循環・浴槽内に反応生成物の亜塩素酸イオン(ClO2-) が徐々に蓄積して行きますので、施設によって頻繁に高濃度で添加されている場合「人体への毒性」「強い塩素臭が残留」したりとこちらも運用面では、厳重な注意が必要となります。

また、二酸化塩素は水中の アンモニア(窒素化合物) を補足(結合)しないので、殺菌ガスがある一定の濃度で水中に残留している間は殺菌効力を示しますが、濃度が薄くなった水質中にバクテリアが混入すると、バクテリアが増殖するには「最適」でエサだらけの「栄養豊富」な水質環境であり、増殖・バイオフィルム化するスピードは著しく促進されるでしょう。

まり、水中のアンモニア等の窒素分(N)は、ある程度「塩素」(次亜塩素酸ナトリウムなど)と結合させた方が、バクテリアが繁殖しづらい水質環境になります。

「ぬめり」の原因は、水中の「アンモニア(NH3)」等の「窒素化合物」及び「有機物」(炭素を含む化合物)の「濃度上昇」から引き起こされます。ご存知の様に人間の汗は「アンモニア」、人間が分泌する皮脂(脂肪酸、油脂)は「生物由来の有機化合物」、 ボディーローション、スキンケア化粧品等に良く使われるグリセリン、エチレングリコールは「合成有機化合物」です。

お風呂はその役割上、これらの成分で、お湯が汚れるのは当たり前であって、「大前提」なのです。

「異物」や「にごり」であれば、循環システム内のろ過器で「ろ過」されますが、水中に溶け込んだ成分は「ろ過」出来ません。つまりお風呂は、「目には映らない汚れ」でいっぱいで、 何らかの方法で「汚れ成分」を分解・処理しなければ、お湯はますます汚れて行ってしまいます。 (濃度上昇)

二酸化塩素系殺菌剤を「高濃度添加」し、それを 「スーパークロリネーション」とおっしゃってる方がいますが、これは、本来の 「スーパークロリネーション」の意味・役割・効果を全く果たしていません。 なぜなら 窒素を補足(結合)しないからです。
   
   
 
※「スーパークロリネーション」
  スーパークロリネーションとは、高濃度の「次亜塩素酸ナトリウム」を用いて、「水中のアンモニア等の窒素化合物や有機物を分解し、不活牲な無機物や窒素ガスに変える水質の浄化法」です。 欧米で最も普及している水質改善の方法で、各地の保健所でもこの水質浄化方法を推奨している。二酸化塩素は、これを分解できません。
   
   
 

高濃度の「二酸化塩素」(水溶液)の場合、「アンモニア」と直接ぶつけると、最悪のケース 「爆発」 します。 

酸化塩素系殺菌剤は、「殺菌剤」としては、非常に良い利点もございます。例えば、水溶液にして医療・調理器具類、テーブル、流し台等の設備の除菌。紙、パルプ、一部、認められた範囲での食品(小麦粉) の「漂白剤」として強い効力を示します。

しかしながら、お風呂の役割・水質環境下で必要とされる 殺菌剤+ 「水質浄化剤としての能力はありません。「短時間の殺菌だけしか出来ない」では、実際の現場においては「致命的な欠点」です。 

次から次へと 「お客様がご入浴」し、化学的に「窒素化合物・有機物」の濃度が、急上昇する「温泉」の水質衛生管理はそんなに「甘い」環境ではありません。これが、私たちが「二酸化塩素系殺菌剤」は温浴施設には適していないとする主たる理由です。

最近では、日本の貿易商社が中国から低品質な「超格安二酸化塩素タブレット」を輸入し、日本の温浴施設マーケットへ大量に流通させていると言う情報もありますので、これにもお気を付け下さい。十分に安全性を確認してから使用した方が良いでしょう。



 
  部の販売業者が、二酸化塩素タブレットを「数週間に1回」、通常の数十倍以上の濃度で 「超高濃度添加して徹底消毒を!」「二酸化塩素タブレットでスーパークロリネーションを!」と指導して販売されているケースがありますが、 これは絶対にお止め下さい。 仮に、事故が起きても「言った、言わない」の水かけ論になり、結局、施設様側が「泣き寝入り」になるかもしれません。

基本的に「塩素ガス」の毒作用も「二酸化塩素ガス」の毒作用もほとんど同じと考えて下さい。

どちらも、人体における(眼、鼻、上気道などの粘膜への)強い刺激は、同等レベルで、人の粘膜などの水分に溶けて、「塩酸」と「次亜塩素酸」を生じます。そして、二酸化塩素ガスは容易に細胞膜を浸透し、細胞構造を破壊し、その作用は「塩酸」よりもはるかに強いと報告されています。
   
 
許容濃度 (推奨)
「塩素:0.5ppm」
「二酸化塩素:0.1ppm」
脱出限界濃度
10ppm
NO DATA (不明)
最小致死濃度

430ppm(30分間)

NO DATA (不明)
即  死
1,000ppm
NO DATA (不明)
   
 

間の1回の短時間暴露(呼吸)では、永久的な後遺症を残さない事が多いが、長期暴露、繰り返し暴露、では呼吸器症状鼻粘膜の炎症、結核に罹患しやすい、呼吸困難、呼吸機能の低下、閉塞性気道障害などの後遺症が残る。と報告されています。

また、塩素ガスの比重は空気に比べ2.48と重く、「地を這うガス」と言われています。要するに、(室内浴場・プール)等の密閉された空間では、 低い箇所から徐々に溜まって 行きますので、上部の窓を開けたくらいでは、全く換気が出来ません。

ご存知、一般的な家庭用の「塩素系カビ取り漂白剤」に ”まぜるな危険 (塩素系)” と表示された製品が売られていますが、これは、「酸系のクリーナー」等の「酸性物質」がまざると、急激に分解して危険な「高濃度塩素ガス」が発生するからです。

一般家庭のバス・トイレ清掃中に死亡事故が起こるケースが急増し、 家庭用品品質表示法によって表示が義務付けられました。「設備の腐食面」や「管理者様への健康面」から見ても、必ず決められた濃度で実施していただく事をお勧めいたします。



 
   
   
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